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眼振の実際

動画で見る眼振

水平・回旋混合性眼振

水平・回旋混合性眼振

メニエール病や前庭神経炎、めまいを伴う突発性難聴などの末梢性めまい疾患(耳性めまい)で認められる眼振。片側の外側・前・後半規管のすべての機能が低下あるいは亢進、上・下前庭神経が障害するとこのような眼振が解発される。

回旋成分を有す上眼瞼向き眼振

回旋成分を有す上眼瞼向き眼振

良性発作性頭位めまい症(後半規管型)で認められる眼振。片側後半規管のみが刺激された結果、同側眼の上斜筋と対側眼の下直筋が収縮して回旋成分を有す上眼瞼向きの眼振が解発される。

上眼瞼向き眼振

上眼瞼向き眼振

上眼瞼向き眼振を認める疾患を以下の表1に示す。延髄の舌下神経周囲核(PHN)、橋の結合腕(BC)、腹側被蓋路(VT)が両側性に障害されると上眼瞼向き眼振が生じる。

表1
小脳変性症および萎縮症 多発性硬化症
延髄または小脳梗塞 延髄、小脳、または中脳の腫瘍
Wernicke脳症 脳幹脳炎
Behcet病 髄膜炎
Leberの先天性黒内障もしくは前方視路の先天異常 視床の動静脈奇形
先天性 有機リン中毒
たばこ(ニコチン) 中耳疾患の随伴症状
健常幼児での一過性の出現

参考資料
トーマス・ブラント著、めまい改訂第2版、198ページの表を引用

下眼瞼向き眼振

下眼瞼向き眼振

下眼瞼向き眼振を認める疾患を以下の表2に示す。前庭神経核間の第四脳室底の病変(下直筋への持続性興奮性神経活動を遮断)、小脳片葉の両側性の病変(上直筋への持続性興奮性神経活動を脱抑制により増強)など、中枢性の垂直性前庭-眼経路の障害で生じる。

表2
小脳変性症
家族性周期性失調症、傍腫瘍性変性症を含む
頭蓋頸椎奇形
Arnold-Chiari奇形、Paget病、頭蓋底陥入症を含む
脳幹または小脳梗塞 椎骨脳底動脈蛇行拡張症
多発性硬化症 小脳腫瘍:血管芽細胞腫を含む
延髄空洞症 脳炎
頭部外傷 抗けいれん薬治療
リチウム中毒 アルコール:アルコール性小脳変性症を含む
Wernicke脳症 マグネシウム欠乏
ビタミンB12欠乏 トルエン乱用
先天性 中脳梗塞
頭蓋内圧亢進症および水頭症 健常幼児での一過性の出現

参考資料
トーマス・ブラント著、めまい改訂第2版、198ページの表を引用